「耳抜きができなくて潜れない…」
「耳が痛くてダイビングが不安」
ダイビングでつまずく人で一番多いのが、この耳抜き。でも安心してください。パラオで8年半インストラクターをしてきた経験から言うと、耳抜きができない方のほとんどは「できない」のではなく「やり方をつかめていない」だけです。ゆっくりやれば、ほとんどの方ができるようになります^^
- そもそも耳抜き(圧平衡)とは何か
- 耳抜きができない一番多い原因
- 陸上でできる練習法と、水中でのコツ
- どうしても抜けないときの正しい判断(安全のために)

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そもそも耳抜きとは?なぜ必要なの?
水中に入ると、飛行機に乗ったときと同じような耳が詰まった違和感が生じます。これは鼓膜が外側(水中)から水圧で押されているから。
そのままだと水圧のせいで耳が痛くて潜れません。だから、唾を飲んだり、鼻をつまんで空気を送り出したりして、外側(水中)と内側(体の中)の圧力を等しくしてあげる必要があるんです。これを「圧平衡(あつへいこう)」といいます。
つまり耳抜きは、水圧から耳を守るための大切な作業。ダイビングの基本中の基本です。
耳抜きができない一番多い原因は「遅い・少ない」
インストラクターとしてたくさんのゲストを見てきましたが、耳抜きができない方の原因で圧倒的に多かったのは、この2つです。
- 耳抜きをするのが遅い(痛くなってからでは手遅れ)
- 耳抜きの回数が少ない(1回やって満足してしまう)
耳抜きは何回やっても大丈夫です。私はゲストに「水中では5秒に1回くらいのペースでやってください」と伝えていました。「やりすぎかな?」と思うくらいでちょうどいいのです。
まずは陸上で練習|空気が抜ける感覚をつかもう
耳抜きがうまくいかない方には、いきなり水中ではなくまず陸上で練習してもらっていました。
- マスクをつけた状態で、鼻をつまむ
- 軽く息む、または唾を飲む(軽くやるのがポイント)
- 「ポコッ」と空気が抜ける感覚をつかむ
この「抜ける感覚」を陸で覚えておくと、水中でも落ち着いてできるようになります。ダイビング当日の朝や、船の上でも確認しておくと安心ですよ。

水中で耳抜きを成功させる4つのコツ
実際に潜るときのコツを、インストラクター目線でお伝えします。
① ロープ潜降でゆっくり少しずつ
慣れるまではいきなりロープなしのフリー潜降をするのではなく、ロープにつかまりながらゆっくり潜るのが基本。どんな人でも毎回体調は違うものです。寝不足、船酔い、暑さ、喉の渇き、緊張等、様々な要因で変わります。ダイビングのファーストダイブはチェックダイブとも言って、自分のコンディションを確認するためのものでもあるので、自分の体の声を聞いてみてください。ロープ潜降は自分のペースで深度をコントロールできるので、耳抜きが苦手な方には特におすすめです。
② フットファースト(足が下)で潜る
足を下にした状態で潜っていくのがポイント。頭が下向き(ヘッドファースト)だと耳抜きがしづらくなります。
③ 片方だけ抜けないときは、首を傾ける
片耳だけ抜けないことはよくあります。そんなときは少し浮上して、抜けない方の耳を上にするように首を傾けて耳抜きしてみてください。これでスッと抜けることがあります。
④ 耳の下から顎のラインをマッサージ
それでも抜けにくいときは、耳の下から顎にかけてのラインを軽くマッサージ。周りの筋肉がほぐれて抜けやすくなります。
私は一緒に潜りながら耳抜きのサインを出し、ゲストが耳抜きできていたらOKサインをもらって、少しずつ深い方へ進む——という進め方をしていました。ゆっくりやればほとんどの方ができます。焦らないことが何より大事です。
ダイビング前にできる準備
当日までにできる準備で、耳抜きの成功率はぐっと上がります。
- 陸上で抜けるか確認しておく(潜る前のチェックは大事)
- しっかり水分補給する(唾が出やすくなります)
- 飴をなめる・ガムを噛む(耳抜きが心配な方にはおすすめしていました)
- 鼻づまりをなくしておく(これが最重要!体調は万全に!)
私自身も経験がありますが、少しでも鼻が詰まっていると水中では本当に抜けません。無理をすると、浮上したときに鼻血が出たり、リバースブロック(浮上時に空気が抜けず耳が痛くなる状態)でめまいがしたり、痛みで浮上できなくなることもあります。風邪気味・鼻炎のときは、無理をしない判断が大切です。
どうしても抜けないとき|「やめる」も正しい選択
ここは安全に関わる大事な話です。
私がガイドをしていたときは、耳抜きが抜けない方がいる場合、まずチームを分けて、ゆっくりロープ潜降してもらっていました。それでもどうしてもダメなときは、中止することをおすすめしていました。
ガイド側としては、チーム分けがうまくできる場合や、その方の耳が抜ける深度までで安全に潜れるポイントなら続けます。しかし危険と判断した場合は「お連れできません」と正直にお伝えしていました。無理して潜っても楽しくありませんから。
ボートからバックロールエントリーをした瞬間に鼓膜に穴が開いてしまったゲストは、何人かいらっしゃいました。ダイビング後に「耳抜きをすると空気がプスーっと抜ける」とご本人が言われ、それ以降は中止に。耳は繊細です。少しでも異変を感じたら、無理せず中止してください。
「その日はやめておく」という選択も、立派なダイビングスキルです。海は逃げません。次の機会に万全の状態で潜れば、もっと楽しめます^^
まとめ|焦らなければ、ほとんどの人ができるようになる
耳抜きのポイントをまとめます。
- できない原因の多くは「遅い・回数が少ない」
- 陸上で「抜ける感覚」をつかんでおく
- 水中では5秒に1回のペースで、早めに何度も
- ロープ潜降・フットファーストでゆっくり
- 抜けないときは首を傾ける・顎をマッサージ
- 鼻づまりのときは無理をしない。中止も正しい選択
耳抜きは、慣れれば無意識にできるようになります。焦らず、自分のペースでやっていきましょう。水中世界はきっとその先で待っていますよ^^🌊
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