ペリリューダイビング完全ガイド|料金・参加条件・ポイントを元現地ガイドが解説

当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

こんにちは!

パラオで8年半ダイビングインストラクターをしていた千尋です。

「ペリリューで潜ってみたいけれど、自分でも行けるのかな」

そう思って調べている方が多いと思います。ダイビングショップのサイトには「100本以上」「200本以上」と書かれていますが、実は本数を満たしていれば行けるというわけでもありません。

この記事では、ペリリューダイビングの料金・参加条件・1日の流れを、ガイドの立場から正直にお伝えします。あまり知られていないのんびり潜れるポイントも紹介しますね。

📋 先に結論(急いでいる方へ)

  • コロールからボートで約1時間半。8:30出発〜16:00帰港で3本
  • 通常料金に追加約$60+ペリリュー州のパーミット$60(5日間有効)
  • 経験本数100本以上が最低条件。ただし本数を満たしていてもスキル次第で、現場で最終判断されます
  • 流れるときはブルーコーナーの強い日より強い
  • ダウンカレントに注意。気づかないうちに深く落ちていることがあります
  • のんびり潜れるポイントもあります(目安50本以上)
  • ダイビングでは戦跡を見られません。見たい方は陸のツアーが必要です
  • コロールからのツアーはリクエストベース。人数と海況が揃わないと催行されません

ペリリュー島ってどんな場所?

ペリリュー島は、パラオの中心であるコロールから南へボートで約1時間半の場所にある島です。

第二次世界大戦の激戦地として知られていて、島のあちこちに今も戦跡が残っています。漫画『ペリリュー ー楽園のゲルニカー』、昨年映画化されたのでそれで名前を知ったという方も多いのではないでしょうか。

そして海は、パラオの中でも屈指のダイビングエリアです。ペリリューコーナー、ペリリューカット、ペリリューエクスプレスといった有名ポイントがあり、ダイバーの憧れの場所でもあります。

ペリリュー島の看板

ペリリューで潜る方法は2つあります

先にお伝えしておきたいことがあります。

この記事は、私が勤めていたコロール島のダイビングショップから、ペリリューへ潜りに行く場合の案内です。パラオでダイビングをする方の多くは、こちらになります。

ただ、ペリリューで潜る方法はもうひとつあります。

① コロールのショップから日帰りで行く(この記事の内容)

コロールに滞在しながら、1日だけペリリューへ足を伸ばすかたちです。ブルーコーナーなどパラオの有名ポイントも潜りつつ、ペリリューも体験できるのがメリットです。

⚠️ 毎日やっているツアーではありません

ペリリューツアーはリクエストベースです。参加人数が揃って、海況が良いときにだけ催行されます。

「行きたい日に必ず行ける」ものではないので、ペリリューを目当てにする方は、早めにショップへ相談して、日程にも余裕を持たせておいてください。滞在中に一度も催行されないこともあります。

② ペリリュー島に滞在して潜る

「どうしてもペリリューで潜りたい」という方には、こちらの方法があります。

ペリリュー島に1軒だけ、日本の方がやっているダイビングショップがあります。OMZ(オムズ ダイビングサービス)さんです。ペリリュー島在住の日本人ガイドによる少人数制のショップで、私も知り合いです。

ここを利用する場合は、ペリリュー島に滞在して、全日程ペリリューで潜ることになります。そのぶん、ブルーコーナーなどコロール周辺のポイントへ行くことは基本的にありません。ペリリューに集中するスタイルですね。

⚠️ ハードルは高めです

営業されているのは乾期(11〜5月ごろ)の間だけで、上級者のみを受け入れているショップです。

「ペリリューを潜り尽くしたい」という方には最高の環境ですが、誰でも行ける場所ではありません。自分のスキルと時期をよく考えたうえで検討してください。

ここから先は、①のコロールから日帰りで行く場合の話として読んでくださいね。

料金とスケジュール

通常のダイビングより高くなります

ペリリューは遠いので、いつものファンダイビング料金では行けません。

項目 金額の目安
ペリリューダイビング代(追加分) 約$60(ショップにより異なります)
ペリリュー州のパーミット $60(5日間有効)

通常のダイビング料金に、この2つが上乗せされます。パーミットはペリリュー州で潜るために必要なもので、ロックアイランドのパーミットとは別物です。

5日間有効なので、期間内にもう一度ペリリューへ行くなら使い回せます。2日行く予定の方は、日程を5日以内に収めると1回分で済みますよ。

1日のスケジュール

時間 内容
8:30ごろ ショップを出発
約1時間半 ボートで移動
午前〜午後 3本潜ります
16:00ごろ ショップへ帰港

朝から夕方までの、まるまる1日のツアーです。

💡 酔い止めは必ず持っていってください

ペリリューエリアは海が荒れていると結構揺れます。

普段あまり酔わない方でも、緊張や寝不足などで酔うこともあります。酔い止めは「酔う前」に飲むのが基本なので、出港前に飲んでおいてくださいね。せっかくの3本が台無しになってしまいます。

ペリリューは誰でも行ける?参加条件のリアル

ここが一番知りたいところですよね。

まず、経験本数が前提条件です

ダイビングショップのサイトには、だいたいこういう条件が書かれています。

  • 経験本数100本以上、または200本以上
  • ブランクがないこと
  • フリー潜降(自由潜降)ができ、中性浮力に問題がないこと

この本数は最低条件です。ショップによって基準は違いますが、まずはここをクリアしていないとスタートラインに立てません。

ただし、本数を満たしていれば安心というわけではありません

正直にお伝えしますと、

⚠️ 100本以上あっても、スキルが伴っていない方はいらっしゃいます

本数は条件を満たしているけれど、実際に一緒に潜ってみるとペリリューにはお連れできない、という方がいらっしゃいました。少なくありません。

本数は、潜った回数であってスキルの証明ではないのです。年に1回のダイビングを10年続けて10本の方と、集中して経験を積んだ方とでは、水中での動きがまったく違います。

だから現場で最終判断をします

🤿 通常ポイントで一緒に潜ってから決めます

私たちは、ペリリューではない通常のポイントで一緒に潜らせていただいて、その様子を見てからペリリューへお連れできるかを判断していました。

申し込みの時点でお断りするのではなく、実際の水中でのスキルを見てから。これは意地悪ではなく、安全のためです。

ですので、「本数があるからペリリューに行けるはず」と思って予定を組むのはおすすめしません。行けない可能性も含めて、日程に余裕を持たせておいてくださいね。

求められるスキルは、この4つです

スキル なぜ必要か
フリー潜降ができる 潜降ロープなしで素早く潜る必要があります
耳抜きがスムーズ もたつくとグループから離れてしまいます
中性浮力は完璧・泳力がある 流れに対して自分で位置を保つ必要があります
ガイドの指示をしっかり見られる これが一番大事です

逆に言えば、ここを磨いておけば判断は変わります。ペリリューでダイビングしたいと思っている方は本数を増やすことより、1本1本の質を上げる方が近道です!

なぜそこまで言うのか

ペリリューの海は、いろいろな潮が入り混じっています。

ガイドと同じ深度、壁から同じ距離等をキープしないと、少しズレただけで自分だけ先に流されてしまったり、戻って来られなくなったりします。

⚠️ ひとりが流されると、全員でダイビングを中止します

はぐれてしまった方が出た場合、安全のためその時点で全員が浮上することになります。

せっかく1時間半かけて来たのに、その1本が終わってしまう。しかも自分のせいで他の方のダイビングも終わってしまう。

だから「全員がガイドの指示をしっかり見られること」が大前提なんです。ここだけは、本当にお願いしたいところです。

流れはどれくらい強いのか

「激流」と聞いて身構える方が多いと思いますが、常に流れが速いわけではありません。穏やかな日もあります。

ただし、流れるときは本気で流れます。

ブルーコーナーの流れが強い日よりも、さらにもっと強い。抽象的で申し訳ないですがこれが一番分かりやすい説明だと思います。ブルーコーナーでカレントフックを使って耐えた経験がある方なら、その上だとイメージしてください。

注意すべき、ダウンカレント

ダウンカレントもブルーコーナーの比ではありません。ブルーコーナーで潜ったことがある方なら経験したことがあるかもしれませんが、流れが強い時はその流れの先にあるドロップオフ付近で下に流されるダウンカレントという流れが発生します。

流れが強すぎて自分の吐いた泡が下に流れていくのです。なので自分が気付かないうちにどんどん深い方へ落ちていっている。ということがあります。

ペリリューでのダウンカレントは信じられないほど強いことがあります。頑張ってフィンキックしても上に上がれない、ということも。そんな時は迷わずBCDに空気を入れてください。浮力とフィンキックの力で上がるのです。

ただし、ある程度深度を上げれたら空気を抜くことを忘れずに。そのまま一気に水面まで急浮上してしまったら非常に危険です。減圧症のリスクも上がります。

ダウンカレントはドロップオフ付近が一番強いのでそこから離れるようにガイドは泳ぎます、ダウンカレントの強いゾーンを抜ければ自分でコントロールできるようになりますので常にガイドの近くにいるようにしてください。そして安全停止をする5m付近でもダウンカレントが発生している場合もありますので浮上するまで気を抜かずにいてください。

こういう場面がありうるのでペリリューダイブではスキルチェックを必ずさせていただいているのです。

あまり知られていない、のんびり潜れる3ポイント

ここからが、この記事で一番お伝えしたかったところです。

ペリリューといえばペリリューコーナーやペリリューエクスプレス等が有名ですが、実は、もっとマイルドに潜れるポイントもあります。

目安としては50本以上で、ブランクなし、フリー潜降、耳抜きがスムーズな方なら参加できることが多いです。有名ポイントより条件はゆるやかですが、最終的な判断はショップによります。まずは相談してみてください。

① オレンジビーチ|上陸作戦が始まった場所

オレンジビーチはペリリュー島の南の波止場を出てすぐ横にあり、第二次世界大戦での米軍ペリリュー島上陸作戦の始まりの場所です。

1944年9月15日、上陸作戦に臨んだのは海兵隊の中でも精鋭部隊だった第一海兵隊。当初米軍側は2、3日で制圧できる戦いになると読んでいたにもかかわらず、2か月以上にも及ぶ激戦となりました。

オレンジビーチという名前の由来は、アメリカ軍がつけていたコードネームからきています。ガイドブックなどでは、激戦によりビーチが赤く染まったためと書かれているものもありますね。

そんなオレンジビーチですが、現在はダイビングポイントとなっています。ギンガメアジの群れが見られたり、魚が多く、綺麗な珊瑚がずっと続いています。

オレンジビーチ |ギンガメアジ
オレンジビーチ |オレンジフィンアネモネフィッシュ
オレンジビーチ |浅瀬の珊瑚

② イエローウォール|黄色いイボヤギの壁

イエローウォールはペリリュー島の東側にあり、流れが速くなるペリリューコーナーまでの手前のポイントです。

イエローウォールという名前は、ドロップオフの壁に生えた黄色いイボヤギから。びっしりと生えています。

棚の上にはアオウミガメがいたり、カスミアジの群れに遭遇したり。沖はサメやマダラトビエイが通ることもあるポイントです。のんびり休憩中のツカエイに、5cmの距離まで近づいても動じなかったこともありましたよ。

そして春先、イレズミフエダイが産卵の合間に待機する場所としても有名です。数万匹が翌朝の産卵まで、ここで群れて待っています。

イエローウォール |イエローウォール
イエローウォール|アオウミガメ
イエローウォール |マンジュウヒトデ
イエローウォール |ツカエイ

③ タートルコーブ|ドロップオフが綺麗な場所

この場所はペリリュー島から少し離れたカープ島の横にあるポイントです。ここもペリリュー州の管轄エリアなので同じパーミットで潜ることができます。コロールへ帰る途中にあるので、3本目に行くことが多いポイントです。

エントリーは穴の真上から。穴を潜り抜けて外に出るとドロップオフが綺麗な場所です。

ドロップオフには大きなイソバナが多く、シルエット写真にとてもいい場所でした。いい流れが入ってドリフトを楽しめます。

ソフトコーラルも多くて綺麗ですし、ポイント名にあるようにウミガメが多く見られます。リーフの上にはピンク色のアカネハナゴイ、ギンガメアジやマダラタルミの群れ、ロウニンアジやカスミアジがアグレッシブに捕食するシーンを見られたり、少し深度を落とすとニチリンダテハゼを見つけたりと、マクロも楽しめますよ。

タートルコーブ|アオウミガメ
タートルコーブ|ウミウチワ
タートルコーブ|ニチリンダテハゼ

1日の流れ|キャンベックで休憩します

ペリリューダイビングは、1本潜るごとにペリリュー島の南の波止場へ戻って島に上陸し、休憩します。

ちなみにこの波止場はキャンベックといいます。

ペリリュー|キャンベックの休憩所
ペリリュー|キャンベックの写真
設備 内容
休憩スペース 屋根付き。椅子とテーブルがあります
トイレ あります
シャワー あります
お昼ごはん ショップが用意してくれます

ボートの上でずっと待機ではなく、陸に上がって足を伸ばして休憩できるのは大きいです。トイレとシャワーがあるのも安心ですよね。でもシャワーはタンクに貯めた水を使うのでさっと流す程度にしましょう。お昼もここで食べます。

上皇・上皇后両陛下の御休憩所が見学できます

キャンベックの目の前に、2015年に当時の天皇皇后両陛下(現在の上皇・上皇后両陛下)がペリリュー島を慰霊訪問された際、御休憩をされた場所があります。

ここは見学することができ、当時のお写真などが飾られています。ただし開いているときと開いていないときがあるので、行ってみないと分かりません。開いていたら、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。

ペリリュー|天皇皇后両陛下御休憩所

ダイビングでは戦跡を見られません

これは知らない方が多いので、はっきり書いておきます。

⚠️ 上陸しても、戦跡を見に行くことはできません

ペリリュー州では、ダイビングの場合はダイビングのパーミット、陸の観光ツアーの場合は観光税$25と、支払うものが分かれています。

そのため、ダイビングツアーで上陸した人が戦跡を歩いて見に行くことは禁止されています。キャンベックで休憩するだけです。

「せっかくペリリューまで行くんだから、戦跡も見てみたい」と思いますよね。私もそう思います。

でもダイビングの日は海だけと割り切ってください。戦跡を見たい方は、陸の戦跡ツアーに別途参加する必要があります。

戦跡ツアーではペリリュー島での戦いがいかに過酷なものであったのか、戦跡を巡りながら生々しく当時のようすを知ることができます。日本人としてぜひ皆さんに訪れていただきたいと思う素晴らしいツアーです。

▼ ペリリュー島の戦跡ツアーを探す

戦跡をきちんと見たい方は、陸のツアーへ。ベルトラなら日本語で予約でき、日本円で金額が確定します。日本語ガイドが案内してくれるツアーもありますよ。

▶ ペリリュー島のツアーを見る

ベストシーズンと、見られる生き物

ペリリューで潜るなら乾期がおすすめです。海況が落ち着いていて、移動も楽になります。

そして狙い目の時期がもうひとつ。

🤿 3〜5月はイレズミフエダイの大産卵

新月前になると、数万匹のイレズミフエダイがペリリューコーナー/ペリリューエキスプレスに集まって産卵します。一生に一度は見ておきたい光景です。

この時期に合わせて旅程を組む方もいるくらいですよ。

持ち物|あると安心なもの

はぐれたときのための3点

流れの強い場所なので、万が一グループから離れてしまったときに気づいてもらえる道具があると安心です。シグナルフロートは全員携行義務となっていますので必ず携行してください。

  • 水中で音を鳴らせるベルorブザー
  • 指示棒(タンクを叩いて音を出せます)
  • 水中ライト(視界が悪い時、光で位置を知ることができます)

レンタルできるショップもありますが、使い慣れたものを持っていく方が確実です。

グローブについて

💡 パラオではグローブの使用が禁止されています

水中生物の保護のためです。サンゴをつかんでしまうことを防ぐ目的ですね。

ただし罰則があるわけではないので、手を切るのが心配な方はつけていっても大丈夫ですよ、とご案内していました。ペリリューは流れが強く、岩に手をつく場面もあるので、不安な方は持っていってもいいと思います。

もちろん、つけていてもサンゴはつかまないでくださいね。

酔い止め

前にも書きましたが、往復3時間の移動です。これだけは忘れないでください。

行く前に読んでおきたい漫画

ペリリュー島での戦いを、史実に基づいて描いた漫画があります。

『ペリリュー ー楽園のゲルニカー』全11巻。武田一義さんの作品です。

2025年に映画化されたので見られた方もいらっしゃるのでは?

読んでから行くと、オレンジビーチという名前の意味が、まったく違って聞こえます。同じ海を潜っていても、見えるものが変わりますよ。

本編11巻のほかに外伝が4巻出ていますので本編を読んで気に入った方は、そちらもどうぞ。

まとめ|本数はスタートラインです

最後に、大事なところだけまとめます。

  • コロールからボートで約1時間半。8:30出発〜16:00帰港で3本
  • 追加料金約$60+パーミット$60(5日間有効)
  • 経験本数100本以上が最低条件。満たしていても現場で最終判断されます
  • 流れるときはブルーコーナーの強い日より強い
  • ダウンカレントが発生します。対処法を知っておいてください
  • のんびり潜れる3ポイントもあります(目安50本以上)
  • キャンベックで休憩。トイレ・シャワーあり、お昼はショップが用意
  • 戦跡は見られません。見たい方は陸のツアーへ
  • 3〜5月はイレズミフエダイの大産卵
  • コロールからのツアーはリクエストベース。日程に余裕を持たせてください
  • 徹底的に潜りたい方はペリリュー島に滞在する方法も(乾期のみ・上級者向け)
  • 酔い止めを忘れずに

ペリリューは、パラオの中でも特別な場所です。そのぶん求められるスキルもあります。

本数はスタートラインで、ゴールではありません。フリー潜降、耳抜き、泳力、そしてガイドの指示を見られること。この4つを意識して1本1本潜っていけば、必ず近づきます。

まずは行ってみたいショップに相談して、何が足りないか聞いてみてください。のんびり潜れるポイントから始めるという道もありますよ。

あの海を一度見てしまうと、きっとまた行きたくなりますよ。この記事が参考になれば嬉しいです^^

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA